【第20回】ダブルバインド(二重拘束)
ご家庭でやってはいけないことのひとつに
「仮面お母さん」
「仮面夫婦」
「仮面家族」
があります。
これは、子供に一番の悪い影響を与えると言っても過言ではありません。
例えば、子供がミルクをこぼします。
「怒ってはいけない」と思っているお母さんは、
イラッとした感情を抑えて、
「大丈夫よ。」と言います。
そして無言で机を拭きます。
力を入れてギュッギュッと拭きます。
目は笑っていません。
怖くないですか?笑
人間関係において、
「言葉」が相手に伝わる割合は、たった7%のみ。
93%は、表情やジェスチャーなどの、ノンバーバルコミュニケーションで理解すると言われています。
私の友人に、
成人してから原因不明の激しい頭痛に悩まされていた人がいました。
通勤途中に頭が割れそうに痛く、
何度も途中下車する。
突発的に死にたくなり、
何度もリストカットしています。
とてもチャーミングな人で、人気があり、
家庭にも問題がないのに、
何故??と長い間思ってました。
ある時、彼女が思春期のとき、
お父様とお母様の仲が悪かった時期があったことを話してくれました。
ご両親の仲は悪いけど、
夕食のときなどは普通に家族で話をしたり、
口喧嘩などをみたことがないそうです。
きっと子供たちに喧嘩している姿を見せたくない親心から、
子供の前では「いい家族」を装っていらっしゃったんだと思います。
けれど、彼女は毎日帰ると気配を感じる。
「今日は喧嘩したな。。お母さん出ていかないかな。。。」
いつも不安を抱えていたそうです。
親しい人の言っていることと、その奥の感情が違う場合、人が信じられなくなります。
何を言われても、疑うようになります。
彼女は親しい友人が何人いても、
彼氏ができても、
常に不安を抱えていて、
その不安に耐えきれなくなり
いつも自分から関係性を絶っていました。
夫婦喧嘩をする家の子供の方が、
EQ( 心の知能指数)が高いというデータも出ています。
感情には蓋をしない方がいい
感情をぶつけ合うのは、
お互いを理解しようとしているから。
そのやりとりの中で、子供は様々な感情を学ぶのだと思います。
*このコラムは香港ポケットページ2017年3月に掲載されました。