【第17回】幸せのハードル

中国にいると色んなことが起こります。
冬の風物詩としては
お湯の出が悪くなる。
去年はシャンプー途中にお湯が止まり、頭から冷水かぶりました。

今年も、やはり、
お湯が出ないー。

設備のおじさんが来て問題なし!
給湯器のおじさんが来て没问题!!

え?どーすんのよっ!!
と言ってたら、浴室が水浸しに。

そんな状態なのに、
水修理のおじさんは、
「天井は乾いてるから水漏れじゃない。結露です。」

「結露でこんなに水がたまるかーいっ!!!」
ぶち切れます。

中国は完全分業。
彼らの責任のなさにイライラします。

丸一日放置して、下の韓国人の衣服が全滅したらしく、
夜中に大慌てでやってきました。

韓国人、、気の毒過ぎです。

結局我が家の水道管破裂。
7日間断水しました。

その間、延べ20人の工人が出たり入ったり。
それに合わせて、我が家のパグちゃんも外に出て行方不明になったり。
カオスです。

それでも工人さんたちと7日も生活を一緒にしていたら色んな話をするようになります。
工事が終わって帰る頃には寂しくなったりね。笑

子供たちも慣れっこなので、「仕方ないねー」という感じ。
工人がいてもいなくても普段と全く変わることもなく、淡々と生活しています。
さすが大陸育ち!

海外から日本を見ると、こんなに便利で優秀な国はないなーと思います。
24時間どこでも何でも手に入るし、街は安全だし、食べ物は美味しい。
なのに自殺者が1位というのは
どういうことでしょうか。

「~でなくてはならない。」
「~がなくてはいけない。」
「~すべきである。」

それが多ければ多いほど、
それに執着すればするほど、
それが得られなかったときに今より「不幸」を感じるものです。

8日目でお水が出るようになりました。
水道をひねるとお水が出ることがしばらく信じられません。
なんて素晴らしいことでしょう!!
せっかくお水が出るのに溜め水で手を洗うことが癖になっている私たち。笑

幸せのハードルは低い方がいい。

~すべき。
~でなくてはならない。

それは本当に必要ですか?

時代が変わったなら
国が変わったなら
必要なくなるものなら
それに執着しない方がいい。

そんなブロックをできるだけ外してあげることが、
この混沌とした時代を生きる子供たちへのプレゼントだと思います。

*このコラムは香港ポケットページ2017年2月に掲載されました。