【第15回】北風と太陽
この冬休み、日本に住んでいる長男が逆帰省していました。
上海のお正月はのんびりしていて大好きです。
家族でいろんな話をしました。
長男の思考回路は幼い頃から
なかなか理解できません。
自分の感性が動くものにしか興味を示さない。
拘りが強い。
自分なりの哲学がある。
一旦決めたら誰がなんといっても貫く。
なので、コントロール不可能です。
もう諦めてます。笑
そんな彼が何かの拍子に、
「高校があまり面白くなかった」と言いました。
親としてはブチ切れますよね~。
多額のお金を払って、
寮のある高校に通わせてるのですから。
でも、
子供のネガティヴな発言は、額面通りにとって反応してはいけません。
「なんてこと言うの!」
「高い学費払ってるのに!
「だったら帰ってきなさーいっっ!!」
このまま言うと、まず相手は黙ります。
特に男の子は貝になります。
そして真相は闇の中。
本当に高校が楽しくなかったのかな?
何か他の理由があるのかな?
子供の本当の気持ちを聞く機会を失ってしまいます。
子供のネガティヴな言葉はダミーです。
その裏に必ず「聞いてほしい心の声」が隠れています。
そこと繋がった時、心から安心するし、子供を信じることができるようになるのです。
「高校面白くなかった。」
「面白くなかったんだね。楽しんでいると思っていたからびっくりだなー。」
「いや、授業がね。面白くない授業もあった。」
「なるほど。あなたは興味ないことはできないからね。昔から。」
「早く大学に行って、専門的に好きな勉強だけしたい。」
「何がしたいの?」
「心理学や、メディア関係。」
「大学が楽しみだね。」
という、なんとも平穏な流れになりました。
お母さんが伝えていいのは、彼の言ったことのフィードバックと、自分の気持ちだけ。
そこに、お母さんの主観や感情は入れない方がいい。
相手を否定したり、
コントロールする言葉が入ると
とたんに子供は戦闘態勢になります。
変えようとすると変えられまいともっと頑なになる。
認めてあげるとオープンマインドになる。
親子の会話はまさに
「北風と太陽」ですね。
*このコラムは香港ポケットページ2017年2月に掲載されました。