【第14回】子供のレールに乗っていませんか?

日本に暮らす長男が逆帰省していました。
ひとりで暮らすようになってはや3年。
初めの頃は帰省のたび、日本に帰るときには涙していましたが、
最近はお互い笑って「さよなら」を言えるようになりました。

完全に親離れした彼を取り巻く世界を、私はほとんど知りません。

どんな友人に囲まれ、
どんな先生で、
どんな生活を送っているのか・・・。
全くの謎に包まれています!

保護者会のたび先生から聞く長男は、
もはや未知の生物。

「遅刻が38回、あと2回で留年です。」

「卒論2万文字書かないといけないところ、
あと3日で締め切りなのに、
まだ2千文字しか書けていません。」

ビックリ!!!です。

でも、
大きく道を逸れることが嫌いな彼。
留年は彼のプライドが許さないはず。

いつもギリギリまで動かないから今回もそうなのだろう、
と思いました。

心配そうな先生を前に、
「大丈夫だと思います!」と自信を持って答えたバカ母です。

結果、3日で見事2万文字を5千文字も超えた大作の卒論を書き上げました。

親が子供の生活習慣や勉強態度に介入できるのは9つくらいまで。
それ以降は自我が芽生え、介入が難しくなります。

この時期までに、
「自分で考え・自分を律し・行動できる」子供に自立しているべきだとも言えます。

私がこんな問題児に対して「大丈夫」だと思えたのは、
彼をコントロールしようとし戦い、話し合い、
お互いに理解しようとしてきた歴史があったから。

久々自宅に帰ってきた長男が言います。

「お母さん同士のチャットグループがあって、
〇〇くんが金髪にしたとか、
〇〇ちゃんが学校に呼び出しされたとか、
みんなで共有しあってるらしい。
高校生にもなってナンセンスだと思う。
オカンがそのグループに入ってなくて本当に良かった。」

いや〜、中国でLINEが通じないだけですけどね。笑

親だから子供のことを全て知っている必要はないと思います。

家族それぞれが自分のレールを進み
またターミナルで会えばいい。
それぞれの旅程を語ればいい。

その方が人生は何倍も豊かになると思うのです。

*このコラムは香港ポケットページ2017年2月に掲載されました。