【第6回】分離の愛〜長男との別れ〜
先日、1人日本で暮らす長男の
高校最後の学園祭がありました。
思えば中1でイヤイヤ上海に連れてこられた長男が、
上海に来た意味を探し、ギターに出会い、
高校は軽音部でバンド活動したいと
1人で日本に帰ることを決めました。
その最後の学祭。
同じ日に別の予定がありましたが、
自分自身に問うてみましたら、
やはり長男のライブを観に行きたかった。
前日に夕食を食べる約束をしていましたが、
「練習あるから無理」
チ〜〜〜〜〜〜〜ン↓↓
予定キャンセルしたんですが、、
しかも上海から何ですけど。
とはいえ、私がそうしたかったこと。
高校生の彼の気持ちはわざわざ母に来てもらいたくなかったかもしれません。
上海にいて数回しか来れなかった高校を見ながら
いろんなことを考えました。
山を切り開いて作られたキャンバスが気に入って入学した高校。
入学式のあと、彼とどこで別れるかをずっと考えていた3年前。
まだ幼さの残る彼の寂しい気持ちがわかるから、
彼の姿が見えなくなるまで家族全員で笑顔でいたあの日。
夏休みくらいまでは別れるたびに涙ぐんでた彼。
あれから早3年。
いろんな思い出ができたことでしょう。
今では学祭に来た母と話す時間もないとのこと笑
よかった、よかった。
上海からわざわざ出向いた私に嬉しいプレゼント。
ライブ最後の曲は長男のギターソロから
始まり、「〇〇く〜〜〜ん!!」
黄色い声援も聞けました笑
長男は確かにここで頑張っている。
周りに支えられている。
嬉しくて涙が出ました。
母の愛は分離を喜べる愛です。
男女の愛は融合の愛。
だから安心するし、寂しさを埋めてくれる愛。
子育ては、元々同じ体内で一体化していたものが
出産で分離して不安から「おぎゃ〜〜〜っ」と泣いて産まれます。
そこから他の動物に類を見ないほど長い年月親子で生活を共にします。
そして、最終目的は2度目の分離。
自分の世界を築けるように。
自分1人で生きていけるように。
もう大丈夫。どんなことがあっても1人で生きていける。
そうなった時に心から喜べる愛。
崇高な愛。
*このコラムは香港ポケットページ2016年12月に掲載されました。