9年間作り続けたお弁当最後の日〜次男卒業〜
次男が卒業しました。
前日、とても不機嫌に
「お弁当が手抜きすぎる」
と言いました。
えー?いつも通りやん??
と思っていたら、、
思っていたら、、
9年間作り作り続けてきた、
お弁当最後の日だったのです。
いつも通りではダメだったのです。
卒業式当日、着付けをしてもらいながら、
美容師さんに、その話をしていてハッと気づきました。
忙しくてバタバタしていて彼の気持ちに気づけませんでした。
振り返ると、次男が愛情を確かめるのは
いつも「食」でした。
幼い頃は友人のお弁当をみては、
「アンパンマンがいい。」
「ウズラの卵にベーコン巻いて。」
など細かくリクエスト。
「今日はトンカツが食べたい。」
「アジアンテイストにして。」など
夕食のリクエストも決まって次男から。
旅行中に誕生日を迎えたときには、
自分から駅で「このケーキ買って帰って食べたら?」
口下手で頼ることが苦手な彼は「食」の小さなリクエストを
叶えてくれるかどうかで愛を確かめていたのだと思います。
次男は、生まれてからずっと、おおらかで、
自立していて手がかからない子供でした。
年子の兄として生まれました。
幼い頃から、1つしか離れていないのに弟の面倒をよくみてくれました。
全く手が回っていない母の状況が分かっているかのようでした。
だから忙しくしているとついつい後回しになってしまいます。
彼に甘えてしまいます。
そんな時、いつも「食」のリクエストがありました。
そして出来る限り、その小さな願いに応えてきました。
卒業式のあと、
「気づけなくてごめんね」
と言いました。
「いや、いいよ。こっちこそ」
もうすぐ離れてしまう彼。
家族の誰もそのことを口にしません。
それは長男の時と同じ。
本人の寂しい気持ちが分かるから。
本人の不安な気持ちが分かるから。
できるだけ明るく、できるだけ笑顔で送り出す。
次男から手紙をもらいました。
「〜中略
残りの時間もあとわずかとなりました。
できければケンカなしでいきたいです。
今現在の僕はどうですか?
ちゃんと前を向けていますか?
背中が曲がっていませんか?
どうかこれからもよろしくお願いします。」
いつも相手の気持ちを優先する次男。
言いたいことの半分も言えない次男。
家族の調和を考えてくれた次男。
彼らしい手紙です。
あなたは、背筋をしゃんと伸ばし、
ちゃんと前を向いてますよ。
あなたの存在に助けられました。
心から、、ありがとう。
もうすぐ家族のパズルのピースが、
また一つ遠くへ行ってしまいます。
長男のときと同じく、
欠けたパズルはそのままで、
無理に埋めようとせずに、
また揃うときの楽しみにとっておきたいと思います。