【第5回】兄弟喧嘩は裁かない

我が家は3兄弟。
幼い頃は毎日誰かが泣いていて、
床には色んなものが散乱し、

動物園状態でした笑

長男は「静」でしたが、
次男、三男は年子で「動」と「動」。
ぶつかり合いもとにかく激しい!!
三男はいつも傷だらけでした。

私は幼少期のぶつかり合いはあればあるほどいいと思ってます。

保育園でも、噛まれたり、叩かれたり、傷つけられたり。

「これくらいの力だと相手を傷つけるんだ。」
「こうされるととても痛い。」
「こういう言葉は使ってはいけない。」
犬と同じで(笑)じゃれ合いながら、学ぶことが大事だと思います。

この加減がわからないと、
今の陰湿なイジメや残虐な犯罪に繋がるのではないでしょうか。

兄弟喧嘩は誰にも気を使わず思い切りできる修練です。
兄弟喧嘩を親は裁いてはいけない。
友人同士の喧嘩もできれば放っておきましょう。

裁くということはそこに勝ち負けが生まれます。

光のそばには必ず影ができる。

負け続けている子供はどこかでバランスをとらなければならなくなります。
学校で告げ口をしたり、
弱い友人を攻撃したりするようになります。

家の中で、勝ち負けは必要ありません。

喧嘩が始まったら、
〇〇くんは〇〇に怒ってるんだー。
〇〇くんはこう言ってるよー。

見たまんまを伝えましょう。
そこにお母さんの感情は入れないことが大切です。

そうすると、子供はつまらなくて勝手にやめるものです。

幼い頃の次男、三男は激しすぎて、思春期になると殺されるかもしれないと本気で思ってましたが笑、
思春期の今、兄弟驚くほど仲が良く、皆さんにどうやって育てたの?と聞かれます。

思い返すと、幼少期、私は心身共に疲れ果てていて、
喧嘩が始まると遠い目をして、
南の国のことを考えてました笑

でもそれが良かった。
裁かなかったのが良かった。

今3兄弟は全員、お母さんは自分のことが一番好きだと思っていると思います。
だから競う必要もない。
一番になる必要もないのでしょう。

「言葉に腹が立った。」
「態度が気に入らない。」
などの自分の感情が動いたこと以外で、
「お母さんに弟を怒ってほしい。」
「お兄ちゃんを負かしたい。」
お母さんをコントロールする感情が入る子供は愛のタンクが満たされてない証拠。
「お母さん!お兄ちゃんが!」
「お母さん!あんなことしてる!」
告げ口をすることが多くなったら
考えてみましょう。

この子は家の中で「負け」が続いてないかな?

この子の気持ちを聞いてあげれてるかな?

家の中は安心安全の場所。
外でたくさん戦った心を癒す場所。
家の中では「負け」をつくらない。

兄弟喧嘩は成敗しない。

*このコラムは香港ポケットページ2016年12月に掲載されました。