褒めるも叱るも必要ない
子育ては「褒めて伸ばす」とよく言われます。
「いい成績をとった。」
「選手に選ばれた。」
「偏差値の高い学校に入学した。」
日常で褒める場面はいくつもあります。
そんな時、我が家では
「よく頑張りました」とだけ言います。
それ以上褒めることはありません。
それがゴールではないし、
それを達成したからその子が幸せを感じられるものでもないからです。
社会一般にいう「成果」に価値を置いて子育てしていると、
それが達成できた時が「幸せ」で、
達成できないと自分を責めるようになります。
実際は人生の目的はそこにはなく、
達成しても束の間「達成感」を味わうだけで、
すぐまた次のゴールに向かって走り続けなければなりません。
小さな成果というものは人生を楽しむための手段でしかなく、
そこに焦点を当てることは、
「頑張っても頑張っても、まだ足りないような気がする。」
「人生に満足感や安心感を感じられない。」
そんな子どもを育ててしまうと思うのです。
一方で、
「お婆さんが困っているのを助けた」
「人がやりたがらないことをやった」
「誰かの意見でなく自分の意見で行動できた」
のような、その子、その子の「満足感」「安心感」に繋がるような行動は
必ずフィードバックするようにしています。
「自分が何をしたらワクワクするのか」
「どんな価値を持っている人間なのか」
を理解してもらうためです。
人間は必ずこの世に生まれてきた意味があります。
この世で持って生まれた資質や才能を活かし、
全体と調和することで魂が震えます。
これを人生の「意味」とすると、
大人でもこれに気づいている人は多くはないのではないでしょうか。
軸がない人生は行き先のない飛行機に乗っているようなもの。
行き先がない飛行機で機内食や映画を楽しめますか?
そんな飛行機は揺れに揺れます。
不安がなくならないのです。
その途中にある小さな成果や手段に一喜一憂することなく
まず子供の行き先(人生の意味)を一緒に見つけてあげましょう。
きっと素敵に人生の舵取りができるお子さんに育ちます♪
*このコラムは香港ポケットページ2017年4月に掲載されました。